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学校で育てたマメを収穫



新型コロナウイルス感染症の影響で、トルコやスーダンの学校・大学も休校となっています。普段から衛生環境の悪い地域では、常に感染症への注意が必要です。


スーダンでは子どもにもおとなにも、あまり手洗い習慣がありません。特に農村地ではトイレ後や食事前に石鹸なしでも水で手洗いをすればまだいいほうで、その水も清潔とは言えません。

学校での“ライフスキル”授業の一貫として、基本的な手洗いや衛生習慣を広め始めたところでしたが、今回の新型コロナウイルスによる感染がこのような地域に拡大しないことを祈るばかりです。


ちょうど学校が休校となる前に、スーダンの学校菜園で育ったソラマメや白インゲンマメの収穫をしました。


学校菜園が設置されてからも定期的に村全体が断水になるなど、特に水不足が課題となっていました。水が通っている期間に菜園用の貯水槽を早期につくったため、断水があっても大きな影響なく栽培を続けることができました。

貯水槽といっても、ブロックやセメントで先生達と一緒につくったものです。初めはヒビが入ってしまい水漏れしてしまいましたが、修繕後は大活躍してくれました。



いま、学校菜園は生徒や先生、村の住民の方からなる学校菜園管理チームにより運営されています。菜園設置直後はスタッフが運営計画を主導していましたが、生徒や先生方へのトレーニングを経て、菜園管理チームを組織化し役割分担を決めました。

曜日ごとに菜園の手入れをする生徒グループ、生徒グループの代表生徒、生徒グループを見守る先生、菜園の手入れを担当する先生と住民の方、全体をまとめる校長先生により、チームは構成されています。


活動における共有点や課題点、解決策は、週に一回の定例ミーティングで話し合いをしています。校内活動として生徒同士・生徒と先生・学校と住民の方が協力して活動したり、なにかをマネージメントしていく経験がこれまではありませんでした。初めは私たちがミーティングのファシリテーションをしていましたが、徐々にチームがより自立的に活動できるよう私たちは見守りにまわっています。

子ども同士の協力関係やライフスキルを高め、生徒を中心としながら先生や住民の方々の関わりを増やし、子ども達の発達を促進していくことを目指しています。



菜園設置前は土砂漠と化していた学校の空き地ですが、低木や果樹、オクラやナス、ルッコラ、ウリが育ち、空き地一面にマメが育ちました。

今回の収穫はソラマメと白インゲンマメです。



スーダンでは日常的にマメが食されます。特に茹でたソラマメにスパイスやオイルで味付けしたものは、スーダンの朝食の定番です。ソラマメといっても日本のソラマメのように緑色のものでなく、乾燥すると皮が茶色で中が白く小ぶりなもので、調理するとふにゃっと柔らかくなります。


地域の農業に経験のある先生方は自分の学校で栽培できたマメを、丹念にチェックしていました。それに習うように生徒達も一人前にマメの出来を確認していました。先生達は満足していたようですが、子ども達は「まぁまぁよくできた」という評価でした。


これまで自分達が育ててきたものを収穫物として手にすることができ、子ども達の達成感と「次はもっと丁寧に手入れをする」という向上心に繋がったようです。



先生方と相談し、休校中も菜園の水やりや手入れを続けていく予定ですが、新型コロナウイルスの感染状況に合わせ対応していきます。

世界全体への打撃がこれ以上大きく広まらないことを願っています。

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