モスクのなかで暮らす子ども達



スーダンには周辺国の紛争や国内における人道危機による難民・国内避難民の方々が多く、南スーダンとの国境県やダルフール周辺地域のほか、国内各地で避難生活を送っています。


私たちと共に学校菜園事業を実施している学校の先生から、同じ村にあるモスク(イスラム教における礼拝堂)で生活している孤児の子ども達の状況をみてほしいという要望を受け、視察訪問しました。


モスクには40名の子ども達が生活しており、ほとんどが他県出身で保護者のいない子ども達です。紛争で家族と離れ離れになってしまったり、よりよい生活を求め家族と首都に来たものの、保護者と死別してしまったケースが多いそうです。この場所は首都ハルツームのなかでも郊外で、市の中心地から車で1時間ほどの農村地です。


このモスクで暮らす子ども達は学校での教育は受けず、イスラム教について勉強しながら、年長者や先生と共に生活しています。政府や支援機関からの支援はなく、地域の人々からのサポートで生計を立てているとのことですが、食事は1日に1回、生活用品はほとんどなく、半屋外の建物の半地下で過ごしている子ども達もいました。建物のなかでも、子ども達が生活する部屋の床は土の地面でゴザを敷き、衛生的な管理もされていないようでした。


イスラム教では特に、孤児となった子ども達へのサポートが宗教上も大切であるとされていますが、行政による社会福祉支援は基本的にありません。国連をはじめとする支援機関は、国境県や紛争地域など活動対象地を選定せざるをえないこともあり、大規模支援から取り残されてしまう子ども達はたくさんいます。


この地域に数年間通っていた私たちでさえ、活動している学校から歩いてほんの5分程度の場所に、このような場所があることを知りませんでした。もともと貧困世帯の多い地域ですが、今回出会った子ども達の身なりや発達状況から、学校に通っている子ども達よりもさらに厳しい生活を送っていることがわかりました。


子ども達の教育や保護に従事している先生からは、子ども達の食糧、生活用品、壁のある部屋、何もかも足りないけれど、まず子ども達ひとりひとりへのマットレスが欲しいという要望がありました。これらの子ども達には長期的なサポートが必要となり、私たちでできることを検討していますが、まずは要望に応えマットレスを配布することを計画しています。

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