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シリア情勢の変化


理学療法を受けている女の子

2024年12月にアサド政権が崩落し、シリア情勢は大きく変化しました。このタイミングでアサド政権が終わることは市民にとって予想外であり、シリア国内でも国外の避難先でも「信じられない」、「夢のよう」という喜びの声が上がりました。

独裁政権と内戦の終結は、人々に希望と安心をもたらしていますが、不安を解消するにはまだまだ多くの課題があります。


シリア国内には未だ複数の武装勢力が存在し、各地を統制しています。シリアが「国」として平和的に機能していくには、数年後になるであろう国民選挙の実施以前に、多大な調整が必要になります。


2024年初めにはシリア人の65%が、人道支援を必要とする生活水準にあるとされていました。物価が高騰し、食糧価格は2023年の2倍になっていました。経済的な課題は現在も山積みであり、国として資金源がないなかで、国際的な経済制裁を解除することが大きなステップになっています。


国外で避難生活を続けてきた人々すべてが、すぐに自国に帰ることができるわけではありません。10年以上新たな地で生活を築いてきたにも拘らず、再度ゼロから生計を立てることは人々にとって大きな負担になります。またアサド政権下で、国外避難し帰国時に拘束、殺害された人々がいた恐怖を拭いきれないこともあります。


私達の活動地であるラッカ県は、未だクルド系組織の管轄下にあります。多くの人々が今後の動向に不安を感じていますが、現時点で戦闘は発生しておらず、活動も今まで通り継続しています。


子ども達のお母さんは、「今の状況は嬉しいことだけれど、生活が一気によくなるわけではない」、「子ども達は支援を必要とし続けている」と話し、本当の希望や安心感を得るには時間がかかりそうです。




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