トルコのシャンルウルファ県ハラン市郊外の村々にて、シリア難民300世帯を対象に衛生品キットの配布を実施しました。
この地域で生活するシリア人世帯の住居は、鉄枠にビニールシートを被せただけのテントや手づくりの土壁の家で、室内でも地面に絨毯を敷いただけで生活しています。
ハラン市は全体が農村地となっており、一面の畑や土砂漠のなかに集落が点在します。病院やヘルスセンターへのアクセスは難しく、一つの集落に小さな商店が数軒あるのみです。
劣悪な衛生環境のなか、医療機関や衛生品へのアクセスも困難な状況において、身体を清潔に保ち感染症を予防することは、子どもにとってもおとなにとっても大切です。
郊外の村々で農作業をしながら生活するシリア人の生活は厳しく、月収も200〜600トルコリラ(8,000〜24,000円)ほどです。
農繁期は仕事があっても、常に仕事が見つかる訳ではありません。
わずかな収入のなかで、シリア人家族がまず購入しなければならないのは食糧です。
様々なものを購入する余裕がなく、また現状ではシリア人家族にとって優先度も劣ってしまう衛生品を配布することで、人々の健康維持を図ることができます。
配布したのは石けん、シャンプー、タオル、歯磨き粉、歯ブラシ、爪切り、カミソリ、シェービング剤、櫛、女性衛生品、カミソリ、バケツです。
一般的に支援団体から配布されるものは品質が劣るものが多く、シリア人家族から「配布物の量は少なくてよいので、質のよいものを配布してほしい」とリクエストを受けていたため、数回に渡り商店にて配布物の品質をチェックしました。
配布日当日には対象村の周辺からも多くのシリア人の人々が集い、笑顔で配布物を抱えて家々に持ち帰っていました。
今後もシリア人家族の目線に立って、必要なもの・ことをサポートしていきます。