日本でもニュースになっていますが、私達の活動地のひとつであるスーダンでの武力衝突が続いています。
4月15日に発生した、国軍と準軍事組織RSF間の武力衝突は1ヶ月を過ぎ、未だ収束の兆しがみえていません。
5月15日現在、弊会スタッフに関してはスーダンから全員退避しています。戦闘は首都の市中心で主に発生し、スタッフが生活している地域が戦闘の中心となってしまいました。
活動を実施している小学校は、同じ州にありながら市中心から離れていることから、戦闘による直接的な被害は受けていません。
スーダンは独裁政治から民政移管の途上にあり、近年も軍事クーデターが度々発生し、常に情勢の不安定さを抱えていました。貧困と食糧危機は慢性的な課題であり、昨今の食糧・燃料高騰は人々の生活を更に苦しくしていました。今回の武力衝突以前にも、停電や断水は毎日発生していました。
もともと最低限の基本的生活がままならない上、事態の発生以降、銀行の営業や流通が停止し食糧や燃料、あらゆる物資の価格が更に高騰しています。
事態発生以前から国民の30%が人道危機にあり、40%が食糧危機に陥っているスーダンの人々が、現状を生き抜くことは極めて困難と言わざるを得ません。
活動対象校の先生方と連絡を取り、先生方や生徒達の無事を確認しつつ、現在は遠隔にて現行事業をフォローアップしています。
弊会としては、これまでにとても大きな成果を上げてきたスーダンでの事業を止めることなく、現在の人道危機及び、危機以降の生活向上に繋げられるよう努めています。
幸い、これまでに築いてきた地域の人々との協力関係により、遠隔でも活動を実施・モニタリングすることは可能ですが、事業実施において現在大きな課題は、安全な送金方法を確保することにあります。
政治的理由から、スーダンでは平時でも銀行による海外送金の受領が容易ではありませんが、武力衝突発生以降、スーダンへの資金流入がストップしています。
スーダン国内からの情報と調整をもって、現在はこの課題に関する打開策を見つける作業に当たっています。
また小学校を対象としている現行事業のほか、スーダン及び周辺国における人道危機への緊急支援も併せて検討していますが、上述の課題同様、その手段の特定に尽力しています。
戦闘が一刻も早く収束し、人々の基本的生活が守られることを願いつつ、みなさまにも引き続き、スーダンの動向を見守っていただけますと幸いです。
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