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カンボジアで学校が再開しました




新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により2020年3〜8月の間、私達が活動しているカンボジア・コンポンチュナン州水上コミュニティの公立学校も休校していました。子ども達の学習が遅れてしまうことも懸念されましたが、ただでさえ通信機器や電気エネルギーの供給が困難な場所では、オンラインやリモート授業を導入するのは現実的ではありませんでした。これまでの活動を通じて、子ども達や家族、先生方の教育へのモチベーションが向上していたなかで、今回の感染症拡大は健康・保健衛生面を含め子ども達の将来について人々の不安が募っていました。

休校の期間、感染症予防のため私達は現地へ訪問することができませんでしたが、先生方とコミュニケーションを取り持続可能な教育を実現するため連携してきました。これまで実施してきた先生方への研修を通じ、今年度は学習活動のほか子ども達のライフスキル向上に繋がる活動を計画していました。感染症拡大により当初の活動計画は変更せざるをえなくなってしまいましたが、先生方の自主的な家庭訪問により生徒の学習をフォローアップし、子ども達の自習を支える家族の方々からの協力を得てきました。また、高等学校への進学を検討している高学年の子ども達を中心に少人数の生徒をグループ別に学校に集め、授業を継続してきました。

個別の家庭訪問や少人数授業の実施により先生方は休みなく子ども達の学習に寄与され、通常時よりも忙しい毎日を過ごされていました。この期間、私達は先生方を遠隔で支えることしかできませんでしたが、これまで以上の先生方の強い思いと献身に勇気付けられてきました。

教育省の決定により9月から学校の授業が通常通り再開しました。先生方によると、いつも通りの授業が始まりたくさんの友達と一緒に勉強できるようになり、子ども達はとても喜んでいるそうです。また、私達が活動の一環でイベントを実施したりコミュニティ外からの訪問が増えたことから、子ども達から「レクリエーション活動をしてほしい」、「コミュニティの外の世界について知りたい」という声が挙がっているとのことでした。今までの取り組みによって培われてきた、先生方や子ども達の教育に対するモチベーションや関心を、今後も絶やさない方法を模索しています。

学校での授業が再開したものの、できる範囲での感染対策を実施しています。今回の状況を受け、これまで学校にはなかった手洗い場が先生方により設置されました。このコミュニティでは水衛生環境の悪さも以前から課題となっていました。COVID-19がきっかけとなってしまいましたが、この地域においても感染症に対する意識が高まり、実践的な予防がなされるようになりました。




まだまだ不安が拭いきれない状況ではありますが、先生方も子ども達も希望をもって日々を過ごしています。

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